転職・再就職における、面接の本番当日の成功マニュアルです。
転職面接の時間は大体10分~30分程度ですが、面接官の心理的に、『前半と後半』に分かれています。これは、採点表の中で前後半に分かれているという意味ではなく、人間が持っている『無意識の心理』の問題です。
例えば、最初の5分間で「この人はこんなタイプの人かな~」という、あなたに対する「仮説」を立てるのです。
そういうテクニックを使っているわけではなく、例えば「お見合い」と同じように、第一印象で相手のイメージができるのと同じことです。
そして、その仮説をもとに、残りの面接時間で『検証』を行うわけです。
「なんだか感情的でアバウトだな~」と思われたかもしれませんが、これが転職面接の現実なのです。
■転職面接の前半戦の戦略
ということで、最初の5分・・もっと言えば1分間くらいかもしれない最初の第一印象が、転職面接では最も重要になります。
心理学の世界では実験によって科学的に証明されていることですが、「相手と話して形成される印象」というのは、実は話の内容はたったの7%しか影響がないそうです。
つまり、どんなに素晴らしい内容の言葉を並べたとしても、たったの7%しか評価してもらえないということです。
では、何で相手の印象が形成されるのか?・・・
それが【身だしなみ、声、態度、話し方】なのです。
相手の立場に立ってみて、どんな身だしなみ、話し方、態度だったら好感を持ってもらえるのか、嫌な印象を与えないか。それをイメージして、良い印象に近づくように努力することです。そういう気持ちがあるのと無いのとでは全然違います。意識するだけでも良いのです。
その意識は、必ず相手に伝わります。
ビジネスマナーの基本は、詳しくは別ページの→不採用の理由をご覧ください。
◎転職面接は演説ではなく『対話』
「とにかく自分をアピールしなきゃ」としゃべりまくる人がいますが、転職面接は演説の場ではありません。相手は人間であり、対話の場なのです。
ですので、話すだけでなく『聞く』という意識もしっかり持ってください。
もちろん緊張もしていますので、面接官から聞かれたことが頭に入らず聞き返してしまった・・・というのは良いんです。しかし、そうではなく面接官の質問に答えず自分の好きな話をペラペラ話すことで、「こちらの話を聞いているのかな・・」と思われたらもう不採用です。
緊張して聞き漏らしても良いので、せめて面接官の話をよく聞こうとする姿勢が大切です。そういう気持ちは必ず伝わります。
◎なぜ自己紹介をさせるのか?そして注意点は?
転職・再就職の面接の際には、実際に約半数以上のケースで自己紹介を求められます。なぜそれをさせるのでしょうか?
別に応募の時点で書面で書かせれば済むことです。でもなぜ、ワザワザ面接の場で自己紹介を言わせるのか?その理由は大きく二つです。
■あなたの全体の印象をチェックするため
■あなたが相手に分かりやすく話すことが出来るか見るため
です。
『面接の評価基準』や『不採用の理由』のページでもお話いたしましたが、転職者を採用する側は、あなたの「人間性、やる気」を知りたいのです。
いきなり技術的な難しい質問をしてしまうと、答えられない人はそこで終わってしまいますので何も話しができず、転職希望者のやる気や人間性を見ることが出来ません。
そこで、自己紹介という形で、誰もが何かしら話せるようなネタで話してもらって、そこであなたのやる気や人間性を見るのです。
そして、実は意外なことに、「面接官の時間稼ぎ」という意味合いもあるのです。
転職面接の場合、評価票には実はあまり細かい採点項目はありません。面接官も何を質問したら良いのか分からず、ネタに困っているのです。そこで、自己紹介をさせた中で、気になったネタを掘り下げて聞いてくるのです。
◎転職面接の自己紹介は長くても3分以内で
たくさん自分をアピールしたほうが良いと思い、ダラダラと長く話す人がいますが、短すぎる人と長すぎる人のどちらが不採用になる確率が高いか?というと、実は長すぎる人が不採用になるケースが多いです。
もちろん、まったく自己紹介ができないような人は論外ですが、面接官がもっと掘り下げて聞きたくなるようなキーワードがいくつかあれば、もうそれで良いのです。
逆に長すぎてしまうと、時間が無くなってしまい、面接官が聞きたいことも聞けなくなり非常に印象が悪いです。人間的に嫌われてしまいます。
それから、もし「5分で」や「10分で」と言われたら、自己紹介のほかに自己PRや志望動機も混ぜていけば良いです。
◎自己紹介では具体的に何を話せば良いのか
では、転職面接の場合その自己紹介では何を話せば良いのか解説いたします。
①まずは挨拶が必要です
相手も忙しい中でわざわざ時間を作ってくれています。それに対してお礼を言うのは礼儀です。
「本日はお忙しい中お時間を作っていただきまして、ありがとうございました。私は○○○○と申します。」
②現在あなたが勤めている職場の説明
「私は○○病院に、平成○年○月から現在まで○年○か月、薬剤師として勤務してまいりました」
③現在のあなたの主な仕事内容の説明
「○○病院は、○○の治療を重点にしており、私はその中で○○科におきまして○○を担当しております。」
④仕事内容の詳細・実績と自己アピールをプラス
「一日の来院患者数は約○○人で、○○のような症状の方から○○のような方まで幅広く対応しております。私は○○チームの中でもリーダーとして○○を任されており、○人の部下に指示を与え監督する立場でもあります。」
「○○の患者様には、○○のように接することを心掛けており、特に○○には注意して対応しております。また、部下には○○に気を付けながら指導し、○○を改善することが出来ました。」
など、あなたの実績や心がけなどもハッキリとPRしてください。
⑤最後に締めくくりの挨拶
「それでは簡単ですが、以上を自己紹介とさせていただきます。ありがとうございました。」
◎前半戦の最初の5分が勝負
ということで、自己紹介が終わり、それに対して軽く質問もされながら5分から10分程度で前半戦が終わります。
先ほどからもお話していますが、この最初の5分で面接官は、あなたの印象をある程度作りあげています。「この人はこんなタイプの人だな」と仮説を立てる、という解説を先ほどしましたね。
ここで悪い印象を与えてしまうと、後半戦にどんなに頑張って良い内容を話しても、悪い印象の仮説をくつがえすのはとても難しくなってしまいます。
■転職面接の後半戦の戦略
さて、前半戦が終わりました。
しかし、頑張って話したわりに面接官の表情がさえない(-_-;)
「ヤバイ、落とされるかな?!」
と心配になるかもしれません。でも大丈夫です。リカバーする方法を学んで、しっかり準備しておきましょう。
後半戦は少し長丁場です。
ここから、面接官から具体的な項目を元に質問がいくつかきます。技術的な質問であったり、転職理由・志望動機にせまってきます。
転職ストーリーと、あなたのやる気をしっかり伝えることです。
そして、その他にも重要なポイントがあります。
それは『転職先の研究』です。
転職先のホームページでも案内書でも、徹底的に調べて記憶し、それに対してどう思ったかを話してください。もちろん、「○○が嫌だと思いました」なんて批判をしたらアウトです。
そうではなくて、
「○○がとっても素晴らしいと思いました」
「○○が○○なんだと知って、とても勉強になりました」
など、転職先のことが「大好きなんです」という気持ちを伝えてほしいのです。自分を好きになってくれる人に対して、悪い気なんてしませんよね。面接官だって嬉しいです。
そして、「なるほど。この人は最初はおとなしくてあまり良い印象が無かったけど、でも良く調べて研究しているね。やる気はある人だね」と、前半戦のマイナス印象から逆にサプライズで、プラスの印象がグッと高まるのです。