ある落語家さんのお話に、「金は天下のまわりものと申します。まわりものと申しますからには、自分のところにまわってくるものか言うと、それは違うらしいのでございます。まわる道が、決まっているのでございます。その決まった道の近くにいる人にはまわってきますが、遠くにいる人には生涯かかってもまわってこないというのが、お金というものなのだそうでございます・・」というものがあるのですが、このお話は、お金についての真理をついた話なんです。
実はお金というのは極端に律儀なもので、ある決まった道を必ず通ります。それも、仲間の集まるところが大好きな寂しがり屋さんなのです。
いわゆる「お金持ち・富裕層」と呼ばれる人達は、そのお金の性格をよく知っているんです。
お金の通り道の近くで、たくさんのお金を持って待ち構えていて、それが、新たなお金を呼び込むのです。もう少し具体的に言えば、「お金を使って価値を産み出し、それを売ってもっと大きなお金にする」ということです。
お金は資本金であり、それをどこかに投資したり、自分自身に投資するわけです。
では、どうすればそのお金の通り道に近づいて、あなたもお金持ちになることができるのでしょうか?
先ほどお話ししましたように、お金は寂しがり屋さんです。ですから、お金が仲間を呼び集めるためには、まずある程度のお金(資本金)を用意する必要があります。
では、お金を用意するにはどうしたらいいのでしょうか?
そのためには、「稼ぐ力」を身につける必要があります。
今あなたは、少なくとも頭のどこかでは転職・再就職を考えているのだと思いますが、実はお金持ちになるためという意味だけでなく、転職の際にも、この「稼ぐ力」は非常に重要な要素となるのです。
■転職先にアピールできるあなたの稼ぐ力を計ってみる
では、ここであなたにお聞きしたいと思いますが、今、あなたがどれくらいの時間単価で仕事をしているか考えたことがあるでしょうか?
ものすごく正確でなくてもいいです。年収を12ケ月で割ったものを、1ケ月の労働日数を22日と計算し、1日8時間とだいたいの残業時間を足したものをかけ合わせたもので割ってあげるのです。
時間単価=年収÷12ケ月÷{22日×(8時間+平均残業時間)}
一応、ボーナスも加えるために、月収ではなく、年収を12ケ月で割ったものから計算していますが、だいたいこんな計算で良いです。
「意外と高いな~」と思ったかもしれませんし、「あれ!年収はけっこう高い方だと思ったけど、時間単価にすると低いな~」と思ったかもしれません。
どうしてこんな時間単価を計算していただいたかというと、「稼ぐ力」というのは単にお金を儲けることではないからです。「稼ぐ力」の重要な要素として、お金を稼ぐことができる、あなたのパフォーマンス力があるからなのです。
このパフォーマンス力、あなたの年収を時間単価で計算した金額こそ、本当の意味でのあなたの仕事に対する評価ということになります。
世の中には、それなりの所得を得てはいるものの、とてつもない量の残業時間をこなしていて、時間単価が実は低い人、また逆に、所得そのものは決して高くはないけど、時間単価が高い人がいるんです。
あなたはどちらでしたか?
この2パターンでは、後者の方が「稼ぐ力」という意味においては評価が高いということになります。
これからの時代は、転職した先で結果を出し、生き残っていくためには、こうしたお金に関する感覚を持つ必要があるのです。
自分の仕事がどれだけの成果を上げているのか。その結果、自分がその職場でどれだけの評価を受けているのか。雇用先からもらうお金というのは、あなたの仕事に対する評価なのです。
こういったことを意識し、自分を転職先に売り込み、情報を活かし、良い人間関係をつくり、自分のキャリアをアップしていく・・・これが「稼ぐ力」の正体です。
あなたは現在の仕事・職場に満足しているでしょうか?
転職すべきかどうか迷っていませんでしょうか?
それをお金という視点から考えてみてください。
このご時世ですから、今はお金についてきちんとした知識を身につける絶好のタイミングです。お金の稼ぎ方、使い方、貯め方、正しいお金の知識を持って、転職を前向きに考えてみましょう。