あなたは自分の給与がどんなふうに決められているか知っていますか?
なんとなくわかっているつもり・・とは思っていても、明快に解答できる人はなかなかいないのではいないですよね。
それではちょっと質問を変えまして、あなたが就職した当初もらった初任給が安かったのはなぜでしょう?
「年齢が低いから」というのは、ある意味合っている部分もありますが、そのものの意味としては不正解です。年齢もたしかにそうなのですが、もうひとつ踏み込みが必要です。
正解は、「過去の実績がないから」になります。
というのも、雇用されている人の給与というのは、
■あなたの過去の実績
■あなたへの未来の期待値
■現在の企業・会社の経営状況
という次の3つの要素で決まっています。
あなたがおこなってきた仕事への評価と、この先もこれだけの報酬にあたる働きをしてくれるだろうという期待、そして企業・会社の経営状況が良ければ給料も良くなります。
つまり、初任給というのは、未来への期待値と企業・会社の現状を加味しただけの金額のことなのです。また、未来への期待値についても、最初の1か月くらいの働きではなかなか評価できませんよね。ですので、高卒・大卒・大学院卒といった学歴からのみによって、期待値がつけられます。
そうした要素をもとに算出された基本給に加えて、さまざまな名目の手当てや賞与がつき、給与というのはできているのです。
■お給料と報酬は違います
世の中の多くの人が、労働の対価としてお給料をもらっています。
ですが、中には労働の対価を給与ではなく、報酬(年俸)で受け取っている人もいます。スポーツ選手などをはじめ、最近は年俸制を導入している企業も増えてきています。サラリーマン・雇われ人でも、年俸制で報酬を得ている人もいますし、そういう転職求人があります。
では、その年俸制の報酬と通常の給与がどう違うのか分かりますか?
まず一つめの違いとして、給与には残業手当がつきますが、報酬にはつきません。報酬というのは結果に対する対価であって、時間に対する対価ではないと考えられています。(ただし、労働基準法は適用されます)。
また、報酬には過去の実績も、未来の期待値も関係ありません。報酬の金額というのは、ただひとつ。
『その人の現在の実績』によってのみ決められるものなのです。ですから、もしその年に優秀な成績を収めることができるのならば、次の年の年俸はものすごく高くなるかもしれません。逆に、実績が出なければガクッと下がってしまうこともあります。
給与の場合は、複数の要因で決定されているため、いくら実績が出なかろうが、それで給与の金額が大幅に減ることはありません。また、ものすごく高い成績を残したからといって、すぐに給与の金額として反映されることもありません。
年俸制を導入している企業は現在4割程度だという話しを聞きますが、ただ、年俸制を取り入れているからといって、実際は必ずしも成果主義が前面に反映されるというわけでもないようです。
一方で、給与制であったとしても、成果主義が取り入れられている企業・会社もたくさんあります。
成果主義が色濃く出る年俸制というのは、聞こえは良いのですが、それはあくまでも結果を残した人に対してだけであって、たまたま調子が悪く結果を残せなかった人を含めて、結果が出なかった人たちにとっては、非常に厳しい制度です。この点も、転職求人を見る際には慎重に考えていきたいところです。
また、給与制であっても年俸制であっても、面接や条件交渉の際に、しっかりと過去の実績をアピールすることが、転職・再就職活動では重要になってきます。