「転職活動ってすごく大変そう」と、あなたは不安に思っているかもしれません。
良い転職先を探す、応募書類を作成する、面接を受ける・・。今の仕事をしながらそれらをこなさなければならないのですから、充分な時間があるはずはありません。しかも転職するということは、周囲の人にはなかなかオープンに相談できないものです。
だから、誰にも話せない状況で一人で考えなければならないことも多く、「隠す」ということで心のストレスも生まれます。
しかも、そんなふうに苦労して準備したり、書類を出したり面接を受けたりしても、転職は100%成功するとは限りません。転職先から断られたり、あるいは自分の方で断ったりしながら、新しい転職先との最適な出会いを実現していかなければなりません。
そう考えれば、あなたが「転職は面倒くさい」と感じるのは当然のことです。この「面倒くさい感じ」が、「転職したい!」となんとなく思っている人にとって、行動の第一歩を踏み出せない大きな壁になっているのです。
そして、転職活動を始めたはいいけど、ぜんぜん上手くいかずに、早々に嫌になり「やっぱり転職なんていいや」とすぐにあきらめてしまうケースも多いんです。
ある転職コンサルティングの方は、いつも「どうしたら転職希望者が少しでも転職活動が楽しく、面白く思えてやる気になってもらえるか」ということばかり考えているそうです。
その方が主宰する転職・再就職セミナーでは、わざわざ足を運んでいただいた人たちに、「よし!とりあえずやってみるか!」とか「なんだ、簡単そうだ。気楽になった、さっそく始めてみよう」というようなやる気、つまり「モチベーション」を上げていただくことをなによりも大切にしているそうです。
さて、「転職は面倒くさい・・」と繰り返してきましたが、でも、どんなに忙しくてもあなたが好きなことをやっている時間って楽しいですよね。
たとえばゴルフが好きな人。朝早く起きて、何時間もクルマを運転してゴルフ場に着き、1円の得にもならない作業をして、今度は渋滞に巻き込まれながらまた何時間もクルマを運転して帰ってくる・・。
これは冷静に考えたら、これほど面倒くさいことはありません。でも「好きだから」苦にも思わないし、ついまた行ってしまう。ゴルフじゃなくても、釣りや野球、カラオケや飲み会、好きな人とのデートなど、楽しいことはみんなそうです。
つまり、「面倒くさい」というのは、行動の内容ではなく、気持ちの問題だということです。
いまひとつ好きになれないから、いまひとつ納得ができないから、面倒くさく感じるのです。転職活動は、その典型的なことですよね。転職活動を成功させるコツは、「モチベーションをしっかり持つこと。そしてそれを維持できる思考回路を頭の中に作っておくこと」、これに尽きます。
ある転職コンサルタントの方は、これまで2万人以上の応募者のお手伝いをしてきたといいますが、これから転職活動に臨もうとしているのに、「成功させたい」という意欲やモチベーションが低く、むしろ沈んだ表情で相談に来られる方が少なくないそうです。
転職活動を後ろ向きに感じたり、面倒に思ったりするのはストレスを感じるからです。そしてそのストレスは、往々にして転職活動に対する大きな誤解に基づいています。逆に言えば、そのストレスさえ取り除けば活動に前向きに取り組んでいけるはずです。
多くの相談者を見てきた転職コンサルタントの経験に照らすと、その誤解は、大きく分けて次の三つに分類することができます。
1、転職先は「即戦力」の人材を求めているから、経験と知識がないとダメ
就職してまだ経験の浅い方や、控えめな性格の方というのは、「私は経験も知識も少ないから、転職なんてできないのでは」と転職活動に二の足を踏むことがあります。
逆に言えば、「私は充分な経験を積んでるし、知識も豊富」と自信満々の方は、それによって足をすくわれることが多いのです。
2、いまさら転職先からあれこれ「尋問」されて、自分の存在価値を否定されたりプライドを傷つけられたりするのは嫌だ
まだ学生時代ならいいですが、社会人としてそれなりに頑張ってきた自分が、転職面接でダメ出しされるのは耐えられない。これは特に、新卒就職の時に面接でさんざん突っ込まれてボロボロにされた経験がある人が、よく抱く誤解です。
3、転職面接では自分を良く見せようとウソを考えたり話さなければいけない
この誤解は、世の中に出回っている「転職面接解説本」などにも原因があります。「こうやってウソを考えろ」「これを言えば採用される」などと、自分を良く見せるためのウソを奨励するような解説がされているからです。
しかし、この三つの大誤解は全て間違いなのです・・・