あなたが自発的、非自発的にかかわらず、転職をすることになって今の職場・会社を退職したら、収入が閉ざされることになってしまいます

一番良いのは、今の仕事を続けながら転職先を探し、転職先が決まってから今の職場・会社を退職することですが、中にはそうもいかないという事情の人もいると思います。

今の仕事を辞めてから次の転職に向けて動いていくという場合は、次の仕事に就くまでの間の生活費を最低限確保しておかなければいけません。

では、転職する場合に必要な貯金額はいったいどれくらいあればいいのでしょうか?

今の職場・会社をすぐにでも辞めて、次の転職先を見つけたいと思うのは誰でも同じです。しかし、「欲張らなければいくらでもあるだろう」と軽く考えていたものの、意外になかなか決まらないということも少なくないです。

まずは転職・再就職活動をどれくらい続けていくか、その期間をあらかじめ設定して、必要なお金を考えてみることにしましょう。

まずは、少なくとも3ケ月分は見ておいた方がいいと思っています。ただ、これはあくまでも最低の期間で、余裕を持つなら半年分のお金を貯えておくべきです。

また、その具体的な内訳ですが、月々の支出のうち、食費や光熱費、公共料金にローンの支払などの「絶対に必要なお金」(=固定費)をまず洗い出しましょう。この絶対に必要なお金の3~6ケ月分が、転職・再就職する場合に貯えておくべき金額になります。

■今現在で年収400万円の人の場合

転職するのであれば、必要な生活費の貯えはできれば3ケ月~6ケ月分は欲しい・・というお話しをしましたが、もう少し具体的な金額で計算してみることにしましょう。

家計簿をつけている方であればすぐに金額は出てくると思いますが、あなたは自分の生活費がどれくらいかかっているかご存知でしょうか?

ここでは、年収400万円独身の方を例に考えてみることにしましょう。

年収400万円であれば、12等分した月額の給料は30万円です。通常はここから社会保険や税金が差し引かれますから、実際の手取りは25万円程度となります。

まず食費の計算です。朝がおにぎり2個として200円、お昼はワンコインランチで500円。そして、自炊していない人であれば、夜ご飯はビールと弁当、お惣菜、などなどで1,000円くらい使ってしまいそうです。すると、

1日1,700円×30日分=51,000円

さらに、これに加えて家賃の支払いです。家賃が仮に10万円。また、電気、水道、ガスの公共料金が1万円。インターネット料金、いわゆる通信費が5,000円、携帯電話に1万円。

転職活動に汚い身なりではいけないので、散髪で3,000円。シャンプー、洗剤であるとかそういった日常品で5,000円くらいみておきましょう。

すると、

・食費 5万1千円
・家賃 10万円
・光熱費 1万円
・携帯電話 1万円
・通信費 5千円
・その他雑費 8千円

合計で18万4千円になります。ですので、これが3ケ月分というと、55万2千円。6ケ月分であれば、110万4千円もの貯金が必要ということになってきてしまいます。

また普通ならば、これに加えて、飲み会であるとか服や本を買うであるとかのお金があって、飲み会が週に2日で1回5千円と考えると月4万円。さらに趣味に2万円。また、異性の交際相手がいれば、デートなどでもう2万円くらいかかってくるかもしれませんが、さすがに就活期間中は、これらの支出はできるだけおさえるようにしたいものです。

また、結婚しているか、子供がいるかどうかで、またまったく違う計算になると思いますが、一度、ひと月にかかる自分の支出を計算してみてください。

基本的に、ひとり暮らしの場合どうしてもムダが多くなり、家族がいる場合は絶対に必要なお金の額が上がっていきます。

■転職活動に必要な貯金をする方法

先ほどのモデルケースでは、少し高めに必要金額を設定しましたが、あなたの必要金額はいくらになったでしょうか?

理想を言えば、転職活動に必要なお金は将来のためにとっておくためのお金とは別のお財布から捻出したいところです。家族がいる場合などはなおさらです。将来の保証を削ってまでの転職となると、家族からもなかなかGOサインは出ないものです。

では、1ケ月に必要な資金が20万円とした場合、転職に必要な資金は60~120万円となりますが、この転職資金を貯める方法を考えてみることにしましょう。

一般的に、収入から貯蓄にまわす金額は、給与の1~2割とされています。そして、生活費にその5~6割、それ以外を趣味や交際費などの自由なお金にまわすというのが理想的だと言われています。

仮に貯蓄にまわす金額を2割だとすると、年収に相当する金額が5年で貯金できるという計算になります。仕事を始めた22歳からこれを実践していたとすれば、30歳になるころには300万円以上貯金できるのです。

もっとも、計算上はそうなりますが、目的もなくなかなか貯金はできるものではありませんよね。

貯金する金額をあらかじめ設定しておくというのは非常に良い考え方で、なんとなく使ってしまうという、お金に対する考え方でもっとも厄介な「浪費」を防ぐことができます。

さらにその貯め方ですが、銀行口座はその使用用途によって複数持っておくことをおすすめします。口座を使い分けることによって、目的意識のあるお金の使い分けができるためです。

たとえば、給料の振込み先の口座を「生活費用」に充てて、それと将来のための「貯蓄口座」がひとつ、「転職用資金」の口座をひとつ、投資を考えるならば「投資用の口座」など、それぞれに振り分けをしてみましょう。

まだやっていないという人は、今からでも遅くはありません。すぐにでも、お金を「目的別に使う」「目的別に貯金する」という意識を持ってみましょう。




 

転職する場合に必要な貯金額」の解説ページです。


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